2019/02/28

【MWC 2019レポート】法人向けブース・パーベイシブ(浸透する)インテリジェンス編
AI戦略はフルスタック・フルシナリオ――搭載が進むAIチップ「Ascend 310」

ICTを専門とするフリーランス・ライター/ジャーナリスト。ウェブ・メディアの記者を経てフリーとなり、現在は『ZDNet』『ASCII.jp』『マイナビニュース』などで執筆。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

2月25日~28日、スペイン・バルセロナで開催されるモバイル業界最大のイベントMWC 2019。HuaWaveでは現地からの速報レポートをお届けしてまりいます。ICTジャーナリストの末岡洋子氏には、ファーウェイの法人向けICTソリューション事業部のブースを中心に、展示の様子をお伝えいただきます。

MWCの法人向けICTソリューション事業部のブースレポート、今回は「パーベイシブ(浸透する)インテリジェンス」のコーナーをレポートする。

企業のデジタル化においては、IoTでLTE、Wi-Fiなどのネットワークを使って端末から収集したデータをどう活用するかも課題となる。ビッグデータの分析からビジネス上の洞察を得る、さらには予測することで、アウトカム(成果)や新しいビジネスモデルを創出することが求められている。また、自動化を進めて効率を改善することも必要だ。こうしたプロセスにおいて、AIは重要な役割を果たす。

普及するインテリジェンスエリアでは、ファーウェイのAI技術とAIを用いた事例が紹介されていた。

まずはAIのポートフォリオから。ファーウェイの特徴は「フルスタック」と「あらゆるシナリオのサポート」だ。つまり、フルスタックのAIポートフォリオを持っており、クラウド、エッジ、デバイス、とすべてのシナリオでAIを展開できるという。

土台となるのは、2018年10月に発表したAIチップ「Ascend 310」だ。AIのフレームワークは、TensorFlowやPyTorchなどよく使われている技術に加え、ファーウェイも「MindSpore」を提供する。シナリオはコンシューマー向けのデバイスからクラウド(パブリッククラウド、プライベートクラウド)、エッジ、産業向けのIoTデバイスなどさまざまなシナリオをカバーする。

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ファーウェイのAIポートフォリオ

Ascend 310は、カメラ、ドローンなどをターゲットにしたAIアクセラレーターモジュール「Atlas 200」、AIアクセラレーターカード「Atlas 300」、エッジに置く「Atlas 500」、さらには後述のカメラ、前回紹介したデータセンタースイッチノ「CloudEngine 16800」などで使われている。

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AIアクセラレーターカードの「Atlas 300」
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「Atlas 500」

このエリアでの新製品は、MWCで発表したもう1つの「世界初」となるソフトウェア定義のAIカメラ「Xシリーズ」だ。ソフトウェア定義向けの専用OSとAscend 310を搭載することで、天候などに応じてアルゴリズムを切り替えることができるという。これにより精度の高い動画解析が可能になる。1対多で接続できるため、接続された従来のカメラがAI処理能力を利用することもできるとのこと。このような処理能力の共有により、コストは50%減、展開までの時間も削減できるという。

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ソフトウェア定義のAIカメラ。スマートシティで使われ、必要に応じてシナリオを定義できる

AIを用いたシナリオの1つとして展示したAI@シティでは、交通量に応じて信号を調整する事例を見せていた。中央のクラウドとエッジを利用して、屋外に設置したカメラが取得した動画のビッグデータを分析し、信号を一定間隔ではなく最適化された切り替えにするというもの。信号待ちの時間が少なくなり、交通渋滞の緩和につながりそうだ。まだ商用化はされていないが、中国で実験が進んでいるという。

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クラウドでトレーニングを行い、その結果をエッジにあるAtlasサーバーなどに送る

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