2019/04/20

「音」で熱帯雨林を守る 違法伐採や密猟の音を携帯電話で検知・解析するファーウェイとRainforest Connectionの取り組み

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From Tech4all

トファー・ホワイト(Topher White)氏がCEOを務めるNPO、Rainforest Connection(RFCx)は、古くなった携帯電話を再利用して熱帯雨林を違法伐採から守る活動に役立てています。ファーウェイはインスピレーションにあふれたホワイト氏のTEDでのスピーチに感銘を受け、このすばらしい活動になにか協力できることはないかと同氏に連絡しました。すると、RFCxではすでにその高い信頼性を評価してファーウェイの携帯電話を独自開発のシステムに採用していることが判明。そこで両者はこの先どんなことができるかを話し合い、複数の熱帯雨林をカバーする「すべてがつながったインテリジェントなエコシスエム」の構築に向けた取り組みをスタートさせました。

2014年、ITER(国際熱核融合実験炉)で研究を行っていた物理学者でソフトウェアエンジニアのトファー・ホワイト氏が設立したNPO。サンフランシスコに拠点を置き、ペルー、ブラジル、インドネシア、エクアドル、カメルーンで違法な森林伐採や密猟の撲滅に向けた5つのプロジェクトを推進している。グーグルやアマゾンとも協業の実績を持つ。

中古のファーウェイ製携帯電話で音声収集
違法な伐採や密猟を検知

RFCxはさまざまなテクノロジーを組み合わせて熱帯雨林の保護活動を行っています。RFCxが独自に開発した太陽光発電式音声モニタリングシステム「Guardians」は、中古のファーウェイ製携帯電話をその心臓部に採用しています。携帯通信のシグナルとクラウドを活用し、携帯電話で拾った音声をAI搭載のサーバーに24時間送信し続けて、降り注ぐ雨や強烈な日差し、じっとりとした湿気の中で奏でられる熱帯雨林の複雑な音をモニタリング。チェーンソーやトラックなど違法行為を疑わせる物音が検知されると即座にレンジャーに通知が送られ、場所を確認したレンジャーは現場へ調査に向かいます。このシステムを用い、RFCxは2,500平方キロメートル(サッカースタジアム約20万個分)に及ぶ熱帯雨林の保護に取り組んでいます。

違法な森林伐採や密猟と戦いながら、RFCxは動物に対する知識も深めてきました。現在RFCxとファーウェイは、両者のパートナーシップとAIエコシステムを活かし、熱帯雨林の中で動物が出す音を解析する取り組みも進めています。これは絶滅危惧種の保護のためにも重要な一助となることが期待されています。

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膨大なデータ処理と高精度の検知をAIで実現
絶滅危惧種の生態調査にも貢献

これらの一連の取り組みにおいて最大の課題となっているのが、電源のない高温多湿の環境で音声データを収集・送信し、増え続ける膨大なデータを解析プラットフォーム上で安全かつ効率的に保存・管理することです。また、データを迅速にリアルタイムで解析し、違法行為がどこで行われているかを正確に同定することも重要です。熱帯雨林で収集される音はきわめて複雑で、データサイズも大きいため、異音を自動的に検知するには高精度の認識アルゴリズムが必要になります。

現在ファーウェイとRFCxは機器の組み立て、ストレージサービス、インテリジェント分析において協業しています。データ収集に使う機器は、中古のファーウェイ製携帯電話をアップグレードして組み立てられています。中古品ながら、ファーウェイの携帯電話は24時間365日、2年間にわたって音声データ収集とクラウドへのリアルタイム送信を問題なく実現してきました。さまざまな地点から収集された音声データは、ファーウェイ・クラウド上のパワフルなビッグデータサービスを用いて保存・管理されています。

さらに両者は、チェーンソーやトラックなどの異音をより正確に同定できるよう、ファーウェイの先進的なAIサービス(ファーウェイ・クラウドAI)とツール(ModelArts)を用いた高精度のインテリジェントアルゴリズムモデルの構築も進めています。ファーウェイのAIチームはすでに最初の音声検知モデルを完成させており、テストではそれまでRFCxが使っていたモデルから大幅に精度が向上していることを確認しました。RfCxのCOO、ブールハン・ヤシーン(Bourhan Yassin)氏は「ファーウェイとの協業で実現する高精度のモデルによって、誤検出とその排除の手間を大きく減らすことができるでしょう」と話しています。

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クモザルが発する音を収集し、ファーウェイの技術者がModelArtsプラットフォームで解析

これに加えて、熱帯雨林の中でクモザルが出す音を検知・分析し、その生息地や安全状況、生態に関する情報を得ることで、絶滅の危機にある動物の保護にも一役買うことを目指しています。

「AIは機械をトレーニングし、アルゴリズムを訓練することで種の特定を可能にしてくれます。現在のところ20万時間分のデータを収集していますが、AIがなければこれほど大量のデータを分析することは不可能です。このデータから動物のさまざまな鳴き声を抽出し、それぞれの動物がどこに生息しているのかを示す地図を作成しています」
インペリアル・カレッジ・ロンドン PhD研究者 ジェナ・ローソン(Jenna Lawson)氏

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