2019/04/17

新時代の自動車設計を支えるファーウェイのHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)ソリューション BMWグループのデータセンター構築を支援

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From ICT Insights

ドイツ・ミュンヘンにあるBMW博物館の展示ホールには、車の設計士やエンジニアたちが設計や製造に取り組む光景を映したたくさんの写真が飾られている。さまざまな時代の人物や車が被写体となっているが、そこには共通の哲学があり、100年にわたって人類を楽しませてきたドライブの歓びの源泉を感じることができる。

HPCで変わる自動車設計

近年ITシステムはあらゆる業界でサポートシステムから生産システムへと進化を遂げてきた。それにともない、IT部門の責任は増し、ビジネス要件に対する深い洞察と先進的なアイデアで事業により大きな価値を生み出すことが求められるようになっている。

自動車の開発設計分野においては、エンジニアはR&Dサイクルを短縮し、より短期間に新モデルを発表し、ラインナップを拡張するために、グローバルなR&D、CAE(コンピューター支援エンジニアリング)シミュレーションの導入強化、シミュレーション精度の向上などを推進していかなければならない。

統計によると、CAEにより新モデルの平均開発サイクルは最大50%短縮し、総開発コストに占める新型車の開発費の割合は80~90%からわずか8~12%まで下がる。さらに、試作車の製造とテストにかかるコストは最大50%削減される。大手自動車メーカーでは毎年数万回の衝突テストを実施するが、そのほとんどはシミュレーションにより行われ、実際の試作車でのテストは数百回だけだ。

こうした最新の自動車開発設計を支えているのは、流体力学、衝突、エンジン組立などさまざまなシミュレーションやテストを行うCAEソフトウェアと、24時間稼働し続けるHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)クラスターだ。これにより、エンジニアはシミュレーション結果を迅速に得ることができ、車の品質向上につなげられるのだが、こうしたHPCの導入にはいくつもの課題がある。

1つめの課題は消費電力だ。何百ものサーバーを大規模に展開すると電力コストが上がり、OPECの上昇につながる。そのため、サーバープラットフォームの省電力性は重要な要件となる。

2つめの課題は安定性だ。システムの停止は性能の低下やサービス断につながり、結果的に売上にも響きかねない。したがって、サーバーの安定性も最重要事項といえる。継続的かつ安定した稼働を確保し、障害を最小限に抑え、トラブル発生時には即座に対応できなければならない。

もう1つの無視できない課題は、展開のスピードだ。シミュレーションだけで年間数十から数百エクサバイト(1エクサバイト=10億ギガバイト)ものデータが発生するため、その要求を満たすにはサーバーの拡張が毎年必要になる。同時に、サーバーの選定、テスト、O&M管理、調達予測、デリバリーの面でも難題が生じる。

BMWグループのHPC向けデータセンター構築を支援

BMWグループのIT部門はHPC分野のベンダー選定にあたり、製品の性能に加えて複数の国々でのデリバリー、製品に対する継続的な投資とイノベーション、強力な技術サポート体制、問題への迅速な対応といった能力を求めていた。世界170か国でパートナーとともにお客様のデジタル変革を支援し、研究開発に多大な投資を続けてきた実績を評価され、ファーウェイはBMWがスウェーデンに新たに設置するデータセンターのHPCインフラのサプライヤーに選ばれた。

同プロジェクトで展開したのは標準的なサーバーだが、ファーウェイの製品には優位性があった。自動車と同様に、ファーウェイもサーバー製品に数千回ものテストを行っている。挿抜試験やEMC(電磁波の発生・電磁波による影響)試験などを1台あたり数百時間にわたって実施することで、高品質・高信頼性を保証している。また、高効率設計によりローカルストレージをフレキシブルかつ大規模に拡張可能で、省電力でありながら高い演算性能を発揮する。省電力性の実現には排気管理、2面セルラーボード、ダイナミック電力管理、ダイナミック電力制限などの技術を複合的に活用し、消費電力を大幅に抑制している。

ストックホルムから800km、北極圏に近い小さな町ピーテオは、豊かで安定した電力供給源を持ち、100%再生可能エネルギー(水力・風力)で電力をまかなっている。二酸化炭素排出量がきわめて低く、業界で求められるサステナビリティの理念に合致する。北極圏に近いため、データセンターの冷却という点でも好条件だ。加えて、スウェーデン国内にはほぼあらゆる場所に光ファイバーが敷設されており、高速データ伝送の基盤が整っている。スウェーデンは地震などの自然災害がほとんどなく、戦争も200年間起きていないため、物理的な安全性も高い。スウェーデン北部には米国の大手インターネット企業数社がデータセンターを設置しており、この地域はデータセンターの戦略投資の重要な拠点となっている。

Fortlaxはセキュアなデータセンター構築とホスティングサービスを請け負う地元のベンダーだ。同社はこの地にHPCクラスター専用の機械室を設置した。かつて最高レベルの安全性を確保して現金取扱業務が行われていたというユニークな立地だ。

現地パ―トナーとのチームワークでスムーズなデリバリーを実現

2016年、プロジェクトのデリバリーがスタートした。ファーウェイはドイツとスウェーデンから専門性の高いチームと質の高いリソースを調達し、最適なチャネルパートナーとしてconsalco.がプロジェクト全体のサポートに加わった。また、Fortlaxともサービス契約を締結し、同社のITエンジニアがファーウェイのグローバルサービスセンターから技術サポートやスペアパーツをいつでも得られるよう体制を整えた。これにより、BMWグループのHPCクラスターはプロフェッショナルかつタイムリーなメンテナンスサービスを受けられるようになる。

デリバリーにおいて、ファーウェイのプロジェクトチームはお客様の要求にフォーカスし、お客様の視点から見た課題を考慮するよう努めた。BMWグループ、consalco.、Fortlaxを含め、チーム内では綿密なコミュニケーションと万全の事前準備を行った。最初のラック配置からキャビネットのサイズ、ケーブル、機械室の空間や床に至るまで、リスクを最小限に抑えるよう詳細に検討した。ファーウェイのR&D担当者はバッチ障害を効果的に解決し、故障率を大幅に低減した。また、consalco.がラックの購入やシステムのインテグレーションを現地で行ったことで、迅速な展開と配送コストの削減が可能になった。キャビネットは統合されたラックとして運び込まれ、現場の担当者はそこにサーバーを設置するだけで、あとは電源供給とケーブル接続さえ終わればすぐに稼働できる。

こうしてファーウェイはパートナーとともに、BMWグループがスウェーデンに初めて設置したHPCクラスターのデリバリーを成功させた。稼働開始後もシステムは安定して動いている。

自動車の未来に向けたデジタル変革

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過去100年にわたり、車の設計士やエンジニアは独創的な自動車を生み出してきた。次の100年間では、都市や人々の生活スタイルが変化し、デジタル変革が進むことによって、モビリティも大きな変化を遂げるはずだ。

近い将来、AIの導入によって自動化されたインテリジェントな設計・製造手法が実現し、VRの採用でシミュレーションやテストの臨場感もさらに高くなるだろう。未来の車は、まだ想像もつかない方法で作り出されるようになるかもしれない。

ファーウェイはBMWグループをはじめとする複数の大手自動車メーカーに、高密度コンピューティングプラットフォームをベースにカスタマイズしたHPCソリューションを提供している。また、ミュンヘンのオープンラボでは、自動車エコシステムの独立系ソフトウェアベンダー(ISV)と協力し、CAEとHPCを統合したオープンプラットフォームの構築や、自動車研究開発シミュレーション向けのクラウドソリューションの共同開発も行っている。

ファーウェイは今後も自動車業界のデジタル変革のパートナーとしてさまざまな分野で業界における協業を追求し、モビリティの進化を支えていく。

ファーウェイの製造業向けソリューションについて、詳しくはこちら

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